コンディショニング

肩こりの原因、チェック方法、治し方、改善トレーニングを解説

若い人から高齢者まで、幅広い世代を悩ませる肩こりを改善するには、原因や対策を知ることが重要です。マッサージを施すことで一時的に肩こりが解消されたとしても、根本の原因に対処しなければすぐに痛みや違和感が現れます。慢性的な肩こりは肩の痛みだけでなく、頭痛やめまいといった症状に繋がる可能性もあります。

また、肩こりの直接的な原因が肩以外の部位にある場合、肩のマッサージや痛み止めの薬を飲んでも改善に繋がらないケースが存在します。 肩こりを放置することなく、原因や直し方、改善のためのトレーニングについて学んでいきましょう。

肩こりのチェック方法

肩こりのチェック方法

肩こりの対処方法や原因を学ぶ前に、自分の肩こりがどれだけ重大なのかチェックすることをおすすめします。肩こりをチェックする際の目安となるのが、特定の姿勢を取ったときに腕が上がる高さです。

まずは、足を揃えてまっすぐ立った状態から、腕を前に伸ばしましょう。そこから肘を手前に曲げて、前腕と二の腕の角度を90度にしてください。両腕を90度に曲げたら、今度はその状態で肘同士をくっつけます。

肩こりのチェック方法 この基本姿勢から肘同士を離すことなく、まっすぐ上に腕を引き上げてください。肩こりが重症な人は、胸よりも高い位置まで肘が上がることはありません。 顎まで上げられない人は、比較的重度の肩こりといえます。
唇の高さに肘が来る場合は肩こりの症状が軽く、改善しやすい状態です。肩こりの心配がほとんどない人は、鼻の位置まで両肘が持ち上がります。

肩こりのメカニズム。肩こりはなぜ起きるのか

肩こりの原因は多々ありますが、肩こりのほとんどは肩周辺の筋肉が血行不良に陥るというメカニズムによって成り立っています。血行とは血液の流れであり、私たちの血液は栄養や酸素を運ぶ重要な役目を果たしているのは皆さんも知っている通りです。

何らかの原因で血行不良に陥ることで筋肉中にうっ血が発生し、不快感や痛み、筋肉の緊張といった現象を引き起こします。血行不良の筋肉には老廃物が蓄積し、蓄積した老廃物によって血管が圧迫されることが肩こりの痛みの一因といわれています。

肩をマッサージすることで一時的に肩こりが楽になるのは、外からの圧力によって血行不良が改善されるからです。ただし根本の原因を取り除かない限り、肩周辺の筋肉の血行が滞り、肩こりが再発することになります。

肩こりの原因

肩こりが発生する原因としては以下に挙げる事柄が考えられます。

・同じ姿勢を長時間継続する
肩こりが発生する原因の中でもデスクワーカーや学生といった机に向かうことが多い人に見られるのが、長時間同じ姿勢を継続することです。机に座って作業をするとき、多くの人は首を前に突き出す姿勢になります。
実際にこの体勢になってみると、肩周辺の筋肉が縮まっているのがわかることでしょう。肩の筋肉を縮ませた状態を継続することで血行が悪化し、慢性的な肩こりを引き起こすケースが後を絶ちません。

・眼精疲労
そのように前のめりな姿勢で仕事をして目の前のパソコンを見続けてしまうと、毛様体筋という目の筋肉が緊張した状態が続き、目に大きな負担がかかります。これは目には遠くを見ると毛様体筋の緊張がゆるみ、逆に、近くを見ると緊張するという特徴があるからです。そして、目に大きな負担がかかり、目が疲れる・ぼやける・かすむ・しょぼしょぼするという症状が現れると眼精疲労という病気の恐れがあると言えます。
眼精疲労により視界がぼやけてくると、パソコンの画面をより見ようとするため、目とパソコンの距離が近くなる=顔を前に突き出すような形になります。そのような態勢ですと首に負担がかかり、最終的に肩に負担がかかって肩こりの原因にもつながるのです。

・運動不足
肩こりの中でも、身体を動かす機会が少ない人に多く見られるのが運動不足です。肩こりの原因が肩周辺の筋肉の血行不良にあることはお伝えした通りです。
私たちの血管は身体を動かすことで血液の循環を促すことができます。しかし運動する習慣がない人は運動による血行促進効果を得られないため、日常的に運動をする人よりも血行不良に陥りやすい傾向にあります。運動不足の人は肩回りの筋肉が強張りやすく、肩こりに悩まされやすいことを自覚しておきましょう。

・冷え性
女性だけでなく、冷房の効いた部屋で仕事をする男性の肩こりの原因としても近年注目されているのが冷え性です。冷え性の人は指などの末端部分はもちろんのこと、内臓をはじめとした身体の内側まで冷えているケースが多く見受けられます。
身体の内側が冷えているということは血管も冷たくなっており、硬くなった血管は柔軟性が低下し、筋肉の末端まで血液を送ることが困難になるため、肩回りの筋肉を強張らせて肩こりを引き起こすのです。

・ストレス
ストレスは多くの不調の原因であり、肩こりを引き起こす要因としても知られています。ストレスを感じた身体は交感神経が優位に働き、筋肉が緊張しやすくなります。強い緊張状態が長く続くと筋肉は強張りやすく、血行不良に陥る確率が高いのです。

肩こりの改善方法

肩こりを改善するには、自分の肩こりの原因が何かを見極めたうえで、原因に対応した方法を実践する必要があります。

・ストレッチやマッサージ
同じ姿勢の継続や運動不足が原因で肩こりに悩んでいる人は、適度な運動を日常生活に取り入れてみましょう。肩こりに陥った肩周囲の筋肉の血行を促進するには、運動によって刺激を与えるのが効果的です。
血行促進という点に注目すると、ランニングや水泳といった有酸素運動がおすすめです。
有酸素運動とは運動の最中に多量の酸素を体内に取り入れるトレーニングであり、血行促進に効果があるといわれています。
ただし、有酸素運動は長い時間を連続して運動する必要があるため、まとまった時間を確保する必要があります。忙しい現代人はまとまった時間の確保が難しい方が多いでしょう。そのため、肩こりを解消する方法の一つとしてストレッチやマッサージで血行を促進するのが良いでしょう。ストレッチポールなどのグッズを用いるストレッチは自宅でも簡単に行えますし、マッサージであれば仕事の休憩中に肩の筋肉の強張りを和らげることができます。

・姿勢を改善する
デスクワーカーや学生など、長時間机に向かうことが多い人の中には、肩こりの原因である同じ姿勢の継続が避けられないこともあるでしょう。本来であれば適宜休憩を取り、身体をほぐす運動を取り入れることが肩こりを解消する際の理想です。
休憩を取るのが難しい場合には、普段から肩こりになりにくい姿勢を習得しましょう。肩こりになりやすい姿勢は、両肩が胸の方に寄ってしまった状態です。 机の上に手を置いて作業をしたり、キーボードを打ったりといった場面では肩が縮こまった姿勢になりやすいですよね。

そこで意識していただきたいのが、肩甲骨の可動性とポジションです。肩甲骨は背中側に位置する肩周りの大きな骨のことで、肩甲骨同士の間を適度に寄せる(背骨に寄せる)ような姿勢でいることが、肩甲骨のポジション・姿勢の乱れを修正し、肩こりを予防することに繋がります。強張った胸の筋肉も自然に引き延ばされますから、肩こりに悩んでいる人がこの姿勢を続けることで、肩こり改善のきっかけにもなるでしょう。
肩甲骨の可動性とポジションを意識して、肩こりに悩みにくい姿勢を習得してください。

・リラックスタイムを設ける
ストレスによる肩こりを解消するには、心身ともに安らげる時間を確保することが大切です。お風呂にゆっくり浸かる、好きな音楽に没頭するなど、仕事や人間関係の悩みから自分を解放してあげてください。ストレスの項目でもあったように、副交感神経が優位な状態にすることで、筋肉の緊張がほぐれた状態になり、血流が増進し、肩こり解消につながります。

肩こりに効くマッサージ・ストレッチ

肩こりを解消するには、上記の原因に対処すると同時に肩回りの筋肉をほぐしてあげることが有効です。肩こり解消マッサージとしてご紹介したいのが、リンパの流れを刺激する方法です。肩を大きく回して筋肉を温めたら、左右の鎖骨の窪みを5回ずつ指で擦りましょう。手指を肩の上部から鎖骨の方向に向かって動かしてあげると、リンパの流れが良くなります。

鎖骨のマッサージを終えたら、肩と首の付け根のあたりから円を描くように、肩の筋肉を外側へ擦ってください。このリンパマッサージと組み合わせていただきたいのが、ダイナミックな動きを取り入れた動的ストレッチです。肩幅に足を広げて立った姿勢から右手指で右の肩を、左手指で左肩に触れます。この姿勢から手指を肩から離すことなく、肘を大きく回しましょう。
30回以上回していると、肩を中心に身体がポカポカしてくるはずです。ストレッチというと筋肉を伸ばす体操や運動を思い浮かべがちですが、肩こりを改善するには肩の筋肉を伸び縮みさせるようなエクササイズも有効といえます。

肩こりとインソールの効果

肩こりを解消する方法の中でも、最近特に注目を浴びているのがインソールです。インソールとはいわゆる靴の中敷きのことであり、インソールを変えるだけで靴の履き心地は大きく変化します。
反対に、自分の足に合っていないインソールを使っていると、歩き方が不自然になったり、外反母趾などの症状に悩まされることもあります。歩くという運動は下半身だけでなく全身を使っています。

特に背中から肩は、脚を動かす際に連動する部位であり、歩き方の悪化によって肩こりが引き起こされることもあります。肩こり解消に効くとされているインソールは、足裏のアーチを適度な高さで維持する機能を備えたインソールです。

足裏のアーチが崩れていると、歩行をはじめとした運動の際に足裏全体で衝撃を吸収することができず、膝や腰などの関節の痛みや、血行不良に繋がります。足裏のアーチを適切な高さに維持して、足を機能しやすい状態に整えておくことは、膝や腰の痛みを予防すると共に、血行促進効果で肩こり改善の効果が期待できます。

足のかたちは人それぞれ異なるので、理想のインソールを手に入れるにはオーダーメイドするのが一番確実といえます。通勤や通学、運動時に理想のインソールを装着したシューズで出掛けると、歩き方が少しずつ改善されて、肩の張りや肩こりが和らいでくる可能性もあります。

【監修】
岩本玄次(いわもと・げんじ)

鍼灸接骨院IWAMOTO院長。

「はり師・きゅう師免許」「柔道整復師免許」「日本体育協会公認アスレティックトレーナー(JASA-AT)バスケット」の資格を持つ。高校・大学・U-24日本代表など幅広い年代でバスケットボールのトレーナーとして活躍。

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【トレーナーとしての主な実績】
・関東大学バスケットボール連盟トレーナー部会
・JBA男子サポートトレーナー
・日本男子学生選抜バスケットボール大会 関東選抜チーム
・李相佰盃争奪日韓学生バスケットボール競技大会 日本代表チーム
・FIBA ASIA U-18男子バスケットボール選手権大会 U-18男子日本代表チーム
・ユニバーシアード競技大会 U-24バスケット男子日本代表チーム
・東アジア競技大会 バスケット男子日本代表チーム
・ジュニアオールスター(中学生選抜大会) 東京選抜チーム
・筑波大学男子バスケットボール部(2010年~)2014、’15、’16インカレ3連覇に貢献

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