アスリートインタビュー

「誰かに言われてやるよりも。」自分で学び考え、辿り着いた世界陸上の舞台

2020年東京オリンピックまであと1年と迫った。

陸上・三段跳びでの出場を目指すのは、国内トップクラスの24歳・山本凌雅選手だ。

自分たちの住む街にやってくるオリンピックに対し、「こんな機会は一生に一度。出られなかったら一生後悔する」。

そんな思いを持つ山本選手にこれまで競技人生の裏側やこれからのビジョンについて語っていただいた。

【PROFILE】

山本凌雅(やまもと・りょうま)


JAL所属の三段跳(陸上競技)選手。三段跳を始めた高校時にいきなり高校生初の16m87(日本歴代6位)の日本高校生記録を叩き出す。順天堂大学の4年時にはユニバーシアードで銅メダルを獲得。 2017年ロンドン世界選手権(世界陸上)には日本代表として出場。2018年4月からJALのアスリート社員として陸上部を作った一期生であり、現在は2020東京オリンピックを目指し活動中。

陸上の道に進んだ理由

ーー陸上競技を始めたきっかけを教えてください。

山本:小学5年の時に、学校の先生が「足が速いから陸上をやってみないか?」と声をかけてくれたんです。それを親に相談したら親がめちゃ乗り気で、その陸上のクラブチームに連れていかれました。最初は知り合いもいないし行きたくなくて、泣いていたんですよ(笑)。

ーーそれほど行きたくなかったんですね(笑)。

山本:でも、実際行ってみると楽しくて、周りもいい人ばっかりで。それで楽しいと思うようになって通い始めました。当初は走ったりバーベル押したり高跳びしたりという感じで、ワイワイ楽しくやってましたね。

ーー陸上はどんなところが楽しかったのですか?

山本:始めてすぐ全国大会に出場するための予選会があって、いきなりハードル種目で勝ってしまったんです。リレーの4×100mでも勝ちました。全国大会でも勝って、どんどんいい結果が出ていくのが一番楽しかったです。

ーー陸上というと個人競技のイメージですが。周りの人と一緒にやるのも楽しかったんですね。

山本:そっち方が大きかったかもしれないです。陸上やってる周りのみんなと仲良くなって、他のチームの選手と交流したり、他校の友達ができていくのが新鮮で楽しかったです。

ある日の練習で試しに跳んだ一本がきっかけで

ーー当初はハードルをやっていたんですね。いつから三段跳びに?

山本:まず、高校で走り幅跳びメインに変わりました。ハードルで高校に入学したんですけど、中学と高校ではハードルの高さが20cmくらい違うんです。身長が160cmくらいしか当時はまだなかったので、きついなと。それで走り幅跳びを始めました。初めて出た試合では県で2番でした。

ーーすごいですね!

山本:走り幅跳びでは国体にも出て、入賞もしました。でもそのあと、ある日の練習で三段跳をしていた先輩に混じって、僕も一本、試しに跳んでみたらその先輩に勝ってしまったんです!(笑)。それがきっかけで三段跳を始めました。

ーー始めてみてどうでした?

山本:それから日本ユースという大会で全国優勝できて、高校3年生の時には16mジャンプができて、日本高校生記録も出せました。

ーー高校から始めたのに高校生記録出すなんて(笑)。三段跳をしていて、どんな瞬間が気持ちいいのでしょうか?

山本:着地の時ですね。砂場の横に、何m跳んだのかという距離がわかる目盛りのついたボードが置かれていますが、それを見ながら「わ、記録超えてる!」って思いながら着地する瞬間が面白いです。

ーーより遠くへ跳びたいという思いから前をみて跳ぶのが普通だと思ってましたが違うんですね。

山本:僕は横目で目盛りのボードをみながら、自分の体がどうなっているのか感じながら跳んでます。体操でも「今自分がどんな姿勢をしている、どこを回っている」って分かるっていうじゃないですか。それと同じ感覚で、どの辺を跳んでいるとか、どれくらい跳べるかという推測は跳んでいる瞬間にわかります。

試合の時には遠くに跳ぶことしか

ーー順天堂大学を卒業後の現在は、JALに所属して三段跳をされていますがJALに所属して2020年東京五輪を目指していますね。

山本:大学4年になって世界選手権に出たりユニバーシアードでメダルを獲って、日本記録を目指せる位置にまで来たので、自然と実業団を考えるようになりました。JALという企業自体にもブランドや影響力がありますし、“跳躍”というイメージも飛行機とリンクしていていいなと思って、自分から声をかけさせてもらって入りました。

ーー学生のころとは違うプレッシャーを感じることはありますか?

山本:試合の時は遠くに跳ぶことしか考えていないです。ただ、企業に入って競技をしているという意味では、結果に期待してお金を払ってもらっている。だから今なかなか思うようにいっていない自分に対して、プレッシャーというか申し訳なさはあります。所属している以上はしっかり結果にこだわっていかないといけないという思いは強く持っています。

ーー跳ぶことしか考えていないとおっしゃってましたが、試合の時は緊張しませんか?

山本:緊張はしないですね。自分がどれくらいの力がどれくらい跳べてというのがわかっているので。自分はこれだけ跳べるんだから、勝てるという自信があるので緊張はしません。自信を持つことが一番だと思います。

「何か一つでも引っかかるものがあれば。」

ーーハードル→走り幅跳び→三段跳とチャレンジするたびに結果を出して周りを驚かせて、挫折などなさそうな印象ですが。

山本:今ですかね。大学生の頃は自己ベストがなかなか更新できない時期があっても、なんとか乗り越えてまたベストが出せるということができていました。ですが、社会人になってからは日本記録を目指せるところまできて、なかなかうまくいかないというか思うようにいかない状況が続いています。

ーーなぜ?思うようにいかない状況が?

山本:僕が目指しているのは日本一ではなく、世界なので。そこを目指してるから自分の現状に満足できてないという思いに駆られて、上手くいってないなというのはあるかもしれません。

ーーその壁をどう乗り越えようとしていますか?

山本:技術的な問題なのか、筋力の問題なのか、それともスピードを強化するべきなのか、まだ何が問題なのかが自分の中で明確になっていないので、色々できることはチャレンジしています。

ーー実際にどのようなアクションを?

山本:今は海外のコーチの指導も受けているし、何か1個でも引っかかるものがあればと思っています。僕より強い選手がいるのはドイツなどヨーロッパで、そこの選手たちと一緒に練習させてもらっています。

ーー海外のコーチの指導はいかがですか?

山本:人によりますが、日本の指導に似たコーチングの方もいれば、“そんなコーチングするんだ”っていう方もいますし。でもとりあえず全部聞くんです。必要のないと思うもの、継続しなきゃと思うものを取捨選択します。それもまずは行って聞かないとわからないので。

海外の選手から得たヒントで自己ベスト更新

ーーそのように自分からアクションを起こして、海外の選手や指導者の元へ学びに行っていますが、何か競技につながるヒントは得られていますか?

山本:海外の選手とトレーニングして気づいたんですけど、海外の選手は上半身がすごく大きくて、それでいて、足はものすごく細い。それに気づいてから、上半身のウエイトトレーニングを重点的に始めて、大学2年の時から今では10kgぐらい体重が増えました。

ーー跳ぶというと足のイメージですが?

山本:だと思うじゃないですか?違うんですよ。足だけで考えてしまうのではなく、上にも大きい筋肉があるからそれを使いこなせないと遠くへは跳べないんですよ。サッカーのヘディングも腕の推進力を使ってジャンプしますよね。それと同じで、上半身を使いこなせることで下半身のパワーをより発揮できるんです。

ーーなるほど。上半身の中でも特にどのあたりの筋肉を鍛えるんですか?

山本:僧帽筋です。そこを鍛えだしてから一気に16m87の自己ベストを更新したんです。ですが、ただ鍛えるだけでなく使いこなさないといけません。ウエイトトレーニングをして、その筋肉を使いこなせるように練習をして、っていうその繰り返しです。タイミングが取れるように小さい動きを噛み合わせていったら試合でベストが取れるようになりました。なので、今はそれが一番僕の中で重要なトレーニングになっています。

ーー自ら学びに海外に行かないとわからなかったことですね。

山本:そうですね。僕、高校の時、三段跳の先生がいなくて、自分で考えてトレーニングしてたんですよ。それもあって自分で考えてトレーニングするのが当たり前になって、誰かに言われてやるよりも自分で考えてトレーニングした方が絶対強くなるし、自分で考える方が面白いっていうのに気づけました。

「足が勝手に前に進む感覚。」

ーー日々、跳躍を続ける山本選手に、コンディショニング・インソール「TENTIAL ZERO」を履いていただいていますが、どのような効果を感じれていますか?

山本:とても歩きやすくて、めちゃめちゃ歩くのが楽ですね。僕はインソールの重要性に気づいてなかったので、これまでインソールを使っていませんでしたが、【TENTIAL ZERO】を履いてみて「もう数センチ前に行ける感覚」、「足が勝手に前に進む感覚」を感じることができて、インソールって大事だなと思いましたね。

ーーその意見を聞くと、インソールの重要性を改めて感じます。

山本:幅跳びの女子選手にも、インソールを履いてから姿勢が良くなって歩き方が改善されたっていう選手がいて、それでパフォーマンスも上がったと聞きました。

ーー人間は一日平均約6322歩も歩くと言われていますので、インソールを履くことでよりその効果が感じれますよね。山本選手は、どんな人に「TENTIAL ZERO」をお勧めしたいですか?

山本:会社員の方々ですね。会社員の方々ってよく歩きますよね。特に営業の人なんかは絶対入れた方がいいと思います。僕はJALでの活動の際、革靴を履くんですけど、革靴はすごく硬いのでその時はすごく疲れを感じます。会社員の人たちは革靴に履き慣れてしまって、あまり疲れを感じなくなっているかもしれないですけど、実際、足に負担はかかっていると思いますし、疲れているんじゃないかと思います。なので、この【TENTIAL ZERO】をお勧めしたいですね。


陸上は人生の“相棒”。結果で恩返しを

ーー東京オリンピックまであと1年となりました。山本選手の目標を聞かせてください。

山本:まずは“オリンピック出場“が今の最大の目標です。そしてそれに出ることでいろんな人へ恩返し出来たら一番いいなと思います。僕たちは結果でしか恩返しできないかなと思うし、まずはそこですね。

ーー誰に一番恩返ししたいですか?

山本:コーチや両親含めて、僕に関わってくれた全ての方にです。地元・長崎の人たちなんて、ずっと応援してくれているんです。長崎から大学で千葉に出てきて、それでもずっと連絡をくれて、そういうのって嬉しいじゃないですか。なので、そうやって僕のことをサポートしてくれている人たちに恩返しするためにもオリンピックには必ず出場したいですね。

ーー山本選手にとって陸上とはどんな存在でしょうか?

山本:“相棒”です。三段跳が僕を成長させてくれました。いろんな場所に連れて行ってくれたのも三段跳だし、いろんな人に出会わせてくれたのも三段跳。そういう意味で相棒かなと。ずっと一緒に生きています。

ーー引退後のビジョンなどはありますか?

山本:陸上の普及もしたいと思っていますが、個人的に3階建てのカフェをやりたいと思っています(笑)。カフェが好きなので。今ちょっと考えているのが“足湯カフェ”ですね。1階がカフェで、2階にフリーウエイトのジムを作るんです。で、3階が足湯。いつかはそれを実現させたいなと思いますね(笑)。



(取材・文=久下真以子)

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